永楽庵 ｜ 昼だけ開く “府内町の胃袋” へようこそ！大分市民に愛され続けるお蕎麦屋さん

大分市府内町にある『永楽庵』に行ってきました。

『永楽庵』は、昼の数時間だけ暖簾を出す、知る人ぞ知る大衆そば屋です。福岡の名店で修業した店主が打つそばと、甘めのつゆが染みた丼ものを求めて、開店直後から常連さんで席が埋まっていきます。​

永楽庵 ｜ 外観

お店があるのは、大分駅から徒歩およそ10分ほどの府内町1丁目エリアで、オフィス街と昔ながらの飲食店が混じり合う、ランチ激戦区の一角に位置しています。​

ランチタイムには常連のサラリーマンや買い物途中の地元客で、店の前に人の出入りが絶えません。

永楽庵には専用駐車場は用意されていないため、車で訪れる場合は近隣のコインパーキングを利用する必要があります。

永楽庵 ｜ 店内

店内に足を踏み入れると、すぐに出汁の香りと湯気に包まれ、一気に「お腹がそばモード」に切り替わります。カウンター越しにはテキパキと動く店主とスタッフの姿が見え、まるでオープンキッチン付きの庶民的な食堂のようなライブ感があります。​

座席は、奥へと細長く伸びるレイアウトで、手前にカウンター席、その奥にテーブル席が並ぶ​小ぢんまりとした空間。

ピーク時にはすぐ満席になり、テーブル席は相席になることもしばしばで、この“ぎゅっと詰まった感じ”もまた永楽庵らしさの一部です。​

永楽庵 ｜ メニュー

メニュー構成はそばとうどんを軸に、丼ものが並ぶ、大衆そば屋の王道スタイルです。​

看板メニューのひとつが「地どりそば」で、コリコリとした食感の地鶏と、しっかりめの出汁が特徴の人気の一杯として多くの常連が注文します。​

丼ものでは「かつ丼」や「親子丼」が支持されていて、どんぶりメニューには温かいか冷たいミニそば、またはミニうどんが付くという、ボリュームとお得感を両立させたセット構成が魅力です。​

永楽庵 ｜ 実食

席に着くと、お冷と一緒にサッと出されるそば湯は、まるで「ようこそ、今日の一杯へ」というウェルカムドリンクのような存在です。

白く濁った湯をひと口含むと、穏やかなとろみとほのかなそば粉の香りで、胃のスイッチが静かにオンになります。

すべてのメニューにはお漬物が付いてきます。

地どりそば（750円）

一番人気の地どりそばは、湯気の向こうから立ち上る香りがまず印象的で、鰹や昆布の出汁に地鶏の旨味が重なった、鼻腔をくすぐる香り立ちです。

地鶏の肉がどっさり入っていて、見るからに食べ応えがありそうなビジュアルです。

つゆを一口すすると、やや甘めに振られた大分らしい味わいで、角のない醤油のコクと、地鶏の脂の旨みがほんのりと広がります。​

そばは細すぎず太すぎずの中庸な太さで、するすると喉を通る滑らかさがあり、強く主張しすぎないがゆえに、出汁との一体感が際立ちます。​

地鶏はコリコリとした弾力が特徴で、噛むほどに肉の旨味がにじみ出てきます。​

柔らかいそばと、歯ごたえのある地鶏という対比が心地よく、まるで“やさしい出汁の中で踊るアクセント”のような存在です。​

かつ丼（800円）

かつ丼には、ミニうどん or ミニそば が付いてきます。今回は冷たいミニそばにしました。

程よい厚みのとんかつに、半熟寄りのとじ卵がとろりとかかり、甘めのつゆがご飯へ染み込んでいく様子は、誰もが思い描く“理想のかつ丼像”にかなり近い仕上がりです。​

ひと口頬張ると、衣にしみたつゆの甘じょっぱさと、豚肉の旨味、卵のまろやかさが一体となって、口いっぱいに広がります。​​

冷たいそばはキュッと締まった食感になり、温かいそばとはまた違うコシが感じられます。​​

ミニサイズながら、ちゃんと一品のそばとして成立しており、「丼にそばが付く」というより「丼とそばをひと皿ずつ楽しめる」という満足感があります。​

永楽庵 ｜ まとめ

永楽庵は、洗練された“映え”の世界とは少し距離を置いた、昔ながらの大衆そば屋ですが、一度足を運ぶと「また帰ってきたくなる味」が待っています。​

地どりそばの滋味深い出汁とかつ丼の多幸感あふれる甘じょっぱさ、そしてセットのミニそばが織りなすハーモニーは、まさに府内町のランチタイムを支える“胃袋のインフラ”といえる存在です。

永楽庵 ｜ 店舗情報

店名	永楽庵
住所	大分市府内町1-5-8 工藤ビル1F
TEL	097-532-9345
営業時間	11：00〜14：00
定休日	日曜・祝日
席数	カウンター：7席 テーブル席：4人×3卓
電子決済	不可
駐車場	なし（周辺コインパーキング利用）

※メニュー内容や価格、営業時間は変更される場合がありますので、最新情報は来店前に公式情報や店舗への確認をおすすめします。​